今回は、会話において相手の笑顔を引き出す上で欠かせない「ユーモア」の効率的なトレーニング方法を解説します。
「面白い会話にユーモアは欠かせない」ということはよく耳にしますよね。
でも実際、他人との会話で意図的にユーモア力を発揮するのはそうそう簡単なことではありません。
なぜならユーモアセンスは語彙力や雑学力などの知識だけで使いこなせる技術ではないからです。
ユーモアセンスを自在に発揮できるようになるには知識以前に鍛えるべき部分があるのです。
ここでは、ユーモアセンスを磨く上で重要な考え方も含め、効果的なトレーニング方法をご説明しますのでぜひご覧いただけばと思います。
Contents
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【根拠あり】会話が冷めるパターン3つ
誰かと会話していて場が盛り下がってしまう、相手が冷めてしまう会話には決まったパターンがあり、それが以下です。
- 何度も同じ話をする
- 決めつけ(上から目線、すぐ否定)
- 笑えない自虐ネタ(自己卑下的ユーモア)
心当たりがあれば要チェックです。
会話が冷え込む行為1
何度も同じ話題を話す
会話がつまらなくなる原因の1つに何度も同じ話をするという行為があります。
こちらが宗教の教祖でもない限り、何度も同じ話をすると相手には「しつこい」「またこの話か〜」のようにネガティブな印象を抱かれやすくなります。
また、海外の研究機関が行った実験によれば、繰り返し同じ話をする行為は「自己中」と思われやすいとの結果も出ています。
何度もしてしまいがちな自己中話といえば真っ先に思い浮かぶのが「自慢話」です。
相手には一切メリットがない、嫌われる会話パターンの象徴と言えるジャンルです。
人は評価されるのが大好きな生き物なので、褒められたりチヤホヤされたりするとつい自慢話に花が咲いてしまうものですよね。
心理学の観点からすれば、会話で相手を魅了したいなら「相手が自分から話したくなる環境作り」が鉄則なのでこれでは完全に逆走していることになります。
自慢話は典型例ですが、これに限らず同じ話を何度もされれば人は必ず飽きるものです。
もし無意識にやっていたら避けるようにしましょう。
会話が冷え込む行為2
決めつけ(上から目線、すぐ否定)
何を話しても「それは○○でしょ」「△△はないな」と決めつけた口調は会話が冷める典型的な要因です。
会話内容を決めつけるということは自分の意見を主張して押し通す、つまり自己中ということになります。
相手が100%の答えを求めていない場面で一方的な決めつけをすれば、そりゃ不快な気持ちを抱かれるのは当然です。
これについては心理学的観点から社会的地位等を気にしやすい男性に多い会話パターンと言えますが、プライドが高い人なら男女問わず見られる行為です。
また、女性については【答えのない会話】をする心理傾向があるため、男性が仲良くなりたい女性と話す時なんかに決めつけや否定ばかりするなんてもってのほかです。
例えば「相談したいことがあって尋ねた女性」に対して「自分の見解を伝える」等の行為は、擦り傷に熱湯をぶっかけるくらい最悪なことです。
ひとつ前の【何度も同じ話をする】と同様、全くもって相手ファーストな言動ではないですよね。
これではユーモア以前に普通の会話としての満足度すら高められません。
決めつけで話しても相手が不快に思わない状況は相手から問題提起をされた時、もしくは相手が明確に答えを求めてあなたに相談をした時だけです。
決めつけや否定はよほど心の広い相手でもいい気分にはならない行為なので気をつけましょう。
会話が冷え込む行為3
笑えない自虐ネタ(自己卑下的ユーモア)
自虐ネタの中でも、相手の同情や哀れみの感情を抱かせる内容は避けるようにしましょう。
ユーモアには大きく分けると4つの分類があり(後ほど説明します)、このうち他人が笑えない、憐むような哀れむタイプの自虐ネタは「自己卑下的ユーモア」というものに分類されます。
科学的観点では自己卑下的ユーモアは、相手の笑いに結びつかないユーモアとされています。
具体的には以下のような表現ですね。


聞かされる側がフォローしようのない自虐ネタは、状況を一変させる上に相手の会話意欲を著しく無くす行為です。
ただ、最初にお伝えしたように自虐ネタそのものが100%悪いわけではありません。
自己卑下的ユーモアの場合話は別で、相手のポジティブな感情には直結しない表現方法です。
ユーモアセンスって今からでも身に付けられる?
結論からいうと、ユーモアセンスは努力すれば年齢関係なく誰でも身につけることは可能です。
冒頭でもお伝えしたようにユーモアは知識量とは比例しません。
語彙力や雑学などの知識はあくまでもオプションであり、知識はなくともユーモア溢れる会話にすることは可能です。
よく、テレビの該当インタビュー番組で老若男女がリポーターからの質問に答えるシーンなどを見たことがあると思います。
その時、誰かに関わらず答え方や醸し出す空気感にクスッときた経験ってありますよね。
だからといって、そういった人達の発言にお笑い芸人のコントや漫才のような高等テクニックを感じたことはないはずです。
ユーモアセンスというと「頭の回転が早くて知識がある人の会話」といったイメージがあると思いますが決してそんなことはありません。
ごくごく普通の会話の中に隠れている嫌味のない面白さこそユーモアであり、表現方法のコツさえ掴めば誰でも取得できるスキルです。
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【会話中】間違ったユーモアのトレーニング
ユーモアセンスを磨くにあたりよくやってしまう間違ったトレーニング方法を3つ紹介します。
- お笑い芸人のネタをそのまま覚えて使う
- ウケが良いネタを収集して使う
- あらゆる話題を面白くしようとする
それぞれ具体的にみていきましょう。
間違ったユーモアのトレーニング1
お笑い芸人のネタをそのまま覚えて使う
お笑い芸人などのネタをそのままパクって会話で披露する行為はユーモアセンスのトレーニングにはなりません。
ユーモアとは「他人を和ませるような面白さ可笑さ」のことを言います。
お笑い芸人が使っているネタで人を笑わせる行為はユーモアがあるとは言いません。
もし仮にネタをパクって相手が笑ったとしても、それは単純に「使っているネタが面白い」というだけです。
例えるなら友達に現金10万円を借りて財布に入れた状態を別の友達に自慢するようなものです。
借り物の力ではなく、ありふれた日常で相手の笑顔や幸福感を生み出すのが「ユーモアがある人」なのです。
間違ったユーモアのトレーニング2
ウケそうなネタを収集する
ネットやテレビなどで話題の面白ネタを収集して他人との会話で使う、といった行為もユーモアセンスのトレーニングにはなりません。
理由は1つ前の【お笑い芸人のネタをそのまま使う】と同じで、これもユーモアの本質とは異なるからです。
ネタを披露して笑いが生まれたとしても面白いのは用意したネタに過ぎません。
あなたが自身で生み出した言葉によって相手を笑顔にすることができて初めて「ユーモアセンスがある」と言えるのです。
「俺の友達にめっちゃウケるやつがいてさー!」
「Twitterで面白いネタ拾ったんだけど見て!」
こういうことを言っている人を見て「この人はユーモアセンスあるなぁ!」とは思わないですよね。笑
固定された情報を用意して相手に伝える事は面白ネタを集めたネットの掲示板と変わりません。
間違ったユーモアのトレーニング3
あらゆる話題を面白くしようとする
1番やってしまう間違いがどんな話も面白くしようしてしまう行為です。
ユーモアとは人を和ませるような面白さであり、会話において面白味溢れる表現は必須です。
ただしこれは「面白く表現できる箇所」の話であって、会話全体が面白い=ユーモアセンスが高い会話ということにはなりません。
ユーモアの観点から見ると会話内容は以下のように分けることができます。
- 確実に笑いに転換できる内容(あるある話、明るい時事ネタなど)
- ほぼほぼ笑いに転換できそうな内容(人の生死に関わらない世間話など)
- 笑いに転換できるか分からない内容(個人の愚痴や辛かった体験など)
- どう考えても笑いに転換できない内容(人生の重大な選択、仕事上の大事な契約話など)
このうち利用すべきは、万が一失敗しても被害が少なく済みやすい1、2の会話内容です。
3、4については面白くする必要がなく、相手からのユーモアセンスの有無判断に影響しない内容です。
むしろ無理をすれば相手からめちゃめちゃ嫌われる可能性があります。
ユーモアを出すにあたり、基本的な考え方は「面白くできそうなところだけ面白くする」です。
自信がないのに挑戦して赤っ恥をかくくらいなら、無難に通過してノーダメージの方が断然マシですから^^
面白くしようもない話題で笑いを求める行為は相手の感情をネガティブにする可能性があるため正しいトレーニングとは言えません。
会話におけるユーモアの基本&ユーモアセンスを鍛えるトレーニング3つ
ユーモアセンス溢れる会話力を磨くためのおすすめトレーニング方法を3つ紹介します。
- 他人の話を聞きながら心の中で会話する
- お笑い芸人の使っている「話し方」「間」「使っている言葉」を研究する
- 面白いと感じた他人の言動を覚えて使ってみる
具体的に見ていきましょう。
ユーモア力磨きでまず意識すべき事【4つのユーモアを知る】
そもそもユーモアがある人とは以下のような人のことを言います。
ユーモア
ユーモア(英: humor、独: Humor, フモーア)とは、人を和ませるような《おかしみ》のこと[1]。日本語ではこうした表現を諧謔(かいぎゃく)とも呼ばれ、「有情滑稽」と訳されることもある[2]。
Wikipedia「ユーモア」より引用
大爆笑!というよりは、人が思わずクスッとしてしまうような上品な笑い(を生み出す)といった意味合いが強いですね。
また、上記とは別に2003年に発表された海外の研究や国内の大学(大正大学大学院)の調査によれば、ユーモアは以下4種類に分類され、それぞれは自身や相手の幸福度や信頼度とも相関関係があるとされています。
- 親和的ユーモア:誰も傷つかないあるあるネタや他愛もない冗談で人を和ませること。幸福度や社交性及び協調性が高く。精神面も安定している。
- 自己高揚的ユーモア:自分の短所や失敗、日々のストレスなどを面白可笑く笑い飛ばす。楽観的でストレスや不安に強く外向性も高め。鬱傾向はほとんどない。
- 攻撃的ユーモア:他人を罵倒し怒らせたり傷つけたりして笑いを表現する。不安が強く反動で攻撃傾向がある。周囲との協調性も低め。
- 自己卑下的ユーモア:自虐や自分を蔑んで人を怒らせる、または自分の事をけなさせて笑いを生み出す。自尊心や幸福度はかなり低い。孤立しがちで精神的にも病みやすい。
このうち、他人との会話においてポジティブな感情や時間を演出したいなら「親和的ユーモア」と「自己高揚的ユーモア」を主軸に使うようにしましょう。
好きな人の気を引きたい、異性からモテたいなど【恋愛的な効果】を望むなら自己高揚的ユーモアが最適とされています。
※自己高揚的ユーモアは、別記事で紹介している「プレイフルネス」に近い心理的効果に似ていますね。以下も要チェックです。
一方で攻撃的ユーモアや自己卑下的ユーモアも分類としてはユーモアになりますが、こちらは相手の不信感や不憫さなどネガティブ感情を生みます。
場にポジティブな笑いや和みを引き起こしたいならこの形でのユーモア表現は避けましょう。
一言にユーモアと言っても実は4種類もあるんですね。
これらを知っておくだけでも相当役立つはずなので、前提として絶対に覚えておいてくださいね。
ユーモアセンストレーニング1
他人の話を聞きながら心の中で会話する
ユーモアセンスのおすすめトレーニング1つ目は「他人の話を聞きながら心の中で会話する」です。
ここでいう他人の話とは主に身の回りの全環境下(街中、会社など)で耳に入ってくる他人の声のことで、テレビやラジオ、動画等も含みます。
日常に溢れる様々な会話シーンを利用してこのトレーニングを行うことで、ジャンルやシーンを問わないリアクション力が鍛えられます。
ユーモアといえば「笑顔溢れる和やかな会話」「ひねりの効いた面白い会話」にはなりますが、いきなりこの状態を目指そうとするのはナンセンスと言えます。
面白い面白くないは置いておき、まずはどんな会話にも即座に反応できる対応力を身に着けることが最重要です。
テンポのいい会話に慣れてきたら、先に紹介した親和的ユーモア、自己高揚力ユーモアのいずれかに寄せつつ返答する練習をしてみてください。(もちろん、話題がどちらにも該当しないようなら無理する必要はありません)
親和的ユーモア:誰も傷つかないあるあるネタや他愛もない冗談で人を和ませること
自己高揚的ユーモア:自分の短所や失敗、日々のストレスなどを面白可笑く笑い飛ばす
ちなみに親和的ユーモアは友達をつくるのにおすすめで、自己高揚的ユーモアは好意を寄せている人に対して効果を発揮すると言われています。
慣れてきたらシチュエーションに合わせて使い分けてみてください。
他人の会話を利用した脳内練習は日常生活そのものが丸々トレーニングになるので非常におすすめです。
ユーモアセンストレーニング2
お笑い芸人の「話し方」「間」「使っている言葉」を研究する
ユーモアセンスを高めるためには、お笑い芸人の話し方や間の使い方の研究も効果的です。
お笑い芸人のトークには親和的、自己高揚的ユーモアのテクニックが詰まっており、日常会話で応用できるテクニックの宝庫です。
ネタやコントではなく雑談やトークを見て研究してください。
例えばテレビであれば
- ひな壇芸人のトーク
- バラエティ番組MCの話の振り方
などがトレーニングに最適です。
オーディエンスのウケが良かったフリ方、話題、表現方法、単語といった点を常に意識しながら見るようにしましょう。
慣れてきたら自分の中で単語や言い回しを変えつつ、心の中で反応したりツッコミを入れたりするのも良いです。(もちろん声に出してもOKです)
ちなみにこれは相手の会話内容を瞬時にユーモア込みで返す瞬発力が鍛えられるのでおすすめですよ^^
お笑い芸人は喋りのプロだけあり、ユーモアセンス向上に繋がる多くのものを得ることが可能です。
テレビやラジオを視聴する時はぜひ癖づけてみてください。
ユーモアセンストレーニング3
他人の面白いと感じた言動をチェック
友人知人、街中の知らない人同士の会話でいいので少しでも「面白い」「秀逸」と感じた言動は記憶に留める意識をしましょう。
言葉だけでなく表情や身振り手振りも刺激を受けたものがあれば全てインプットです。
お笑い芸人にはプロの洗練された笑いの表現があるように我々素人にも素人にしか出せない笑いのセンスがあります。
この点を抑えることもユーモアセンス向上には欠かせません。
例えば、友達に営業系の仕事をしている人がいれば少なくとも内勤の人よりは「人を喜ばせる言い回し」については優れているはずです。
天然タイプの人の言動は狙って笑いを取りにいっていない分、場を和ませる力に長けているので吸収できる点は多いですね。
とにかく盗めるものは盗んで、自分なりにアレンジを加え別の場面で使ってみてください。
- 文章そのものに面白味を感じた → 単語や言い回しを変えて使ってみる
- 話の間や声の高低など音に関する部分がツボった → 似た内容の話をする時に雰囲気を真似てみる
などなど、捉え方と応用方法は多種多彩です。
「そんなこと気にしながら話してたら疲れちゃうよ」と思うかもしれませんが、安心してください。人間は慣れる生き物です。
慣れてしまえば当たり前のように習慣づくのでそれまでは頑張りましょう。
身近な人の言動から学ぶことは今日からでも明日からでもできるので、この記事を読み終わったらぜひ実践してみてくださいね。
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【まとめ】ユーモアのトレーニングは「普通の会話」力を磨いてから!
今回はユーモアセンスを磨くための効果的なトレーニング方法を解説してきました。
一言にユーモア溢れる会話と言っても、ユーモアの出し方は相手の感情や会話内容によって無限にバリエーションが存在します。
おそらく、満足いくレベルまで至るにはそれなりに時間がかかるかと思います。
だからこそまず最初の段階では「会話そのもの」にフォーカスして力をつける必要があります。
お笑いのプロではない我々一般人の場合、ユーモアトレーニングにおいて確実に学ぶべきは「話の内容」ではなく「話し方や声、雰囲気」です。
(話が面白い以前にまず「話しやすい人」と思われなければユーモアもクソもないですよね)
加えて後半でご説明した4種類のユーモアのうち、
- 親和的ユーモア
- 自己高揚的ユーモア
を上手く利用して相手の心へ響くユーモアセンスを自分ものとしましょう。
「とにかく笑わせること」ではなく「居心地よくすること」への意識も忘れないように^^
それでは今回はこれで終わりです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。